呼吸器内科

地域医療に必要な幅広い呼吸器診療をご提供いたします。

 

呼吸器疾患の多くは咳・痰・息切れなどの症状で発症し、風邪などのありふれた病気と症状が似通っています。
いつもより長引く風邪症状の中には細菌性肺炎や結核などの呼吸器感染症、喫煙に関連した慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性疾患としての気管支喘息、様々な物質の吸入もしくは体質により発症する間質性肺疾患、そして肺癌といった様々な呼吸器疾患が潜んでいるかもしれません。

全国的な高齢化に伴い長崎市でも高齢者の割合は増加しており、誤嚥性肺炎などの高齢者に多い肺炎は注意が必要です。当院では総合内科やリハビリテーション科と協力しながら、誤嚥が疑われる患者さんには入院時に言語聴覚士による嚥下機能の評価を行い、必要な患者さんにはより高度な嚥下機能の評価のために、嚥下内視鏡や嚥下造影検査などで食事方法を調整し、治療と共に予防にも力を入れています。

結核も忘れてはならない疾患です。
長崎県は全国でも結核患者数は多く、当院でも年に数例は未診断の結核患者さんが外来受診されます。
結核指定医療機関と連携しながら、診療を行っています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は診断されずに見過ごされていることが多い疾患といわれています。
喫煙が原因であることが殆どで、治療においては禁煙が最も重要です。当院では禁煙外来での禁煙指導や禁煙後にも残る症状に対する薬物治療を行っています。
喫煙は呼吸器疾患のみならず全身に影響しますので、必要に応じて他領域の専門医に紹介します。

気管支喘息は成人してから発症することもあり、症状が長引く咳だけということもあります。気管支喘息の長期管理から喘息発作の急性期の対応まで、安心して治療が継続できるような医療を提供します。

間質性肺疾患は様々な疾患が含まれており、正確な診断のためには専門医による診察が重要です。
疾患の中には経過観察をするしかないものも含まれますが、専門医による経過観察で適切なタイミングでの治療介入が行われます。
一部の疾患では特定疾患の申請を行い、有効な薬物を投与することで疾患の進行を緩やかにすることが可能です。

肺癌は近年の進歩が著しい領域です。
当院ではガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を用いて、小さな病変に対しても積極的に検査を行っています。
手術が必要な患者さんは当院外科及び長崎大学病院呼吸器外科の先生に手術を行っていただき、放射線治療が必要な方には治療可能な施設にご紹介します。
抗癌剤治療が必要な患者さんには遺伝子検査などの結果をもとに、最適な薬物を選択し安全に治療を行います。
また、セカンドオピニオンを希望される患者さんには積極的に紹介を行っています。

当院は長崎市内の中核病院として近隣住民の方々や診療所の先生方からご紹介いただいた患者さんが多く受診されます。
専門外来では様々な呼吸器疾患に対して、個々人のニーズに合った医療を提供し、地域住民の方々が安心して暮らせるよう、呼吸器診療を通じてサポート致します。